養殖一筋46年
「祖父・父・子」に受け継がれ、進化し続ける順洋の養殖技術
祖父から父へ、そして子へ。伝承された給餌方法と、魚の健康状態を常に観察しながら行う丁寧な管理によって、魚の甘みを引き出す養殖技術が確立されました。
3代にわたって受け継がれてきた養殖技術は、今なお磨かれ続けています。
クロマグロの養殖技術
クロマグロは稚魚を3年かけて約40〜60kgに育てています。巨大な魚ですが、デリケートな性質なので、日ごろから健康状態の観察と管理が欠かせません。毎日水温を見て給餌量を調節し、栄養バランスを整えた餌を与えています。生後1、2年はモイストペレットで調整し、3年になったら生サバのみを与え、うま味を蓄えた天然クロマグロに近い状態に仕上げます。長年の養殖技術を活かし、ストレスのない環境での飼育を行っています。
バランスを考えた給餌
養殖クロマグロの1年~2年生は、冷凍の生餌に配合飼料を混ぜ合わせて与える。給餌量は、海水温度と魚の状態を毎日チェックし状況に応じて調整する
出荷時期の3年生は、脂の乗った栄養価の高い生のサバを与えて、良質な身質に仕上げてく
身焼けを防ぐ電気ショックによる水揚げと、鮮度を保つ船上活〆
3年かけて約40〜60kgに育ったクロマグロ。水揚げ時に身焼けを起こさないよう、ダイバーが1匹づつ電気ショックを与えて慎重に捕獲する
傷つけないよう、丁寧かつ迅速にクレーンを使って船上に引き揚げられる
船上では、スピーディーに血抜き、神経抜き、内臓処理、冷却を行うことで、身焼けを防ぐ
冷却状態で養殖場から桟橋へ運ばれたクロマグロは、再びクレーンで吊り上げる
きれいな海水で内臓を洗浄し、出荷用に当社の番号札を結びつける
計量する時は傷つけないよう細心の注意を払う
計量後は、再びクレーンで吊り上げて新鮮な氷が入った保冷コンテナで氷漬けにする
氷がエラや腹までしっかりと行き届くよう氷を敷き詰める
より身が引き締まった状態で鮮度を保つため、しっかりと氷漬けにされたクロマグロ
集荷を待つために、保冷コンテナはトラックに積み込まれる
ヒラマサの養殖技術
ヒラマサは、海水温度や環境の変化に敏感で、繊細な性質で育てるのが難しい魚です。順洋では、水温に合わせた給餌管理、健康状態の把握、飼育環境の整備など、長年の経験に基づいた技術で高品質なヒラマサの養殖を実現しています。水揚げ前に身質を向上させるために、生餌と飼料を配合した餌を与え、臭みがなく脂が乗ったおいしいヒラマサを出荷しています。3代にわたる社長が半世紀かけて改良した餌は、順洋のヒラマサのおいしさの秘訣です。
魚の状態をよく観察し、最適な配合バランスを調整
養殖ヒラマサ用に、冷凍の生餌を撹拌機にかける様子。生餌に配合飼料を混ぜ合わせて与える
約2年かけて約4kg程度までに育てる。給餌量は、独自の配合でより美味しい身質になるよう常に工夫を重ねている
身焼けを防ぎ鮮度を保つ「船上活〆」
ヒラマサは、筏の中から傷つけないように1匹ずつ丁寧に網ですくい揚げる
船上では、スピーディーに神経抜きを行い血抜きをする
活〆後は、きれいな海水で洗い流し、氷漬けにして身を引きしめる
氷漬け後、計量する
ぶりの養殖技術
夏から秋にかけて成長し、冬に脂を蓄えるぶりの養殖には、餌の工夫が欠かせません。成長期には餌を増やしますが、一度に量を増やすのではなく、回数と量を調整し、食べ残しがないようにしています。脂乗りの良い臭みのない身質にするために、魚粉やタンパク質など栄養バランスのとれた粒状(EPペレット)の餌を与えます。生簀の網は貝類や海藻などの付着物をこまめに取り除き、年に一度は網の洗浄や交換を行い、快適な魚の生息環境を維持しています。
脂乗りの良い臭みのない身質にするために最適な量を与える
養殖ぶりには、配合飼料(EPペレット)を与える
約2年かけて、約5kg~6kg程度まで育てあげる。餌が流れないよう食べる速度に合わせて与える
活魚での出荷
生簀内のぶりを網で引き寄せる
生簀からクレーンで吊り上げられる元気のいいぶり
選別台に水揚げされる様子。傷つけないよう丁寧に行う
魚のスレなどを防止するために、海水を流しながら作業する
熟練したスタッフが、ぶりの大きさを見極め選別する
出荷サイズに応じたものだけが、筏に移される
生簀から桟橋へ運ぶ。ぶりを傷めないように、ゆっくりと走行する
到着後、出荷準備をする
活魚船の到着後、筏から活漁船へ計量してから積み込む
活魚船内の大型水槽へ移される様子